吉岡幸雄の仕事と蒐集ー日本の色ー
January 30, 2021
呉服関係の仕事をしていた父の蔵書の大半は、開けるのも大変そうな大きな美術書が多く、その佇まいと少し古びた匂いに、子供には簡単には踏み込めない世界を感じたものでした。
その本の背に「紫紅社」と書かれたものがたくさんあって、今も目に浮かぶのですが、文字だけではんなりと美しいこの字面に、中身を見ずとも、うっとりとしたものでした。
その紫紅社を設立、長く編集、出版業に携わられ、そういえば、宝飾の本も出してられた吉岡さん。 染織史家、染色工房の五代目当主としての仕事まで、多彩な活動を繰り広げて来られましたが、残念なことに、昨年秋、急逝されました。
多岐にわたる活動と、どの分野でも成果を上げられる鑑識眼。 コロナ禍の今、出かけにくい毎日ではありますが、ゆっくりとその仕事を堪能したいものです。
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