ジュエリーの基本 2
June 09, 2021
前回書いたジュエリーの基本1. 金もプラチナも知っているけれど、パラジウム?と、聞きなれない名前が出てきましたね。 投資などされている方には、注目?の貴金属。 元々、とても希少なレアメタルであるパラジウムは、自動車産業などで触媒に使われるそうで、近年、驚くほど価格が上がっているという現状があります。 ジュエリーで利用される場合は、単独で使われることはなく、プラチナの硬さを出すための割金として使われることがほとんどです。
プラチナは、粘りがあり、割れにくいので、いわゆる加工性がいい。 たとえば、石を同じ形の地金の違う石枠の爪で留めた場合、K18 より、Pt900 のほうが、柔らかく粘って石に吸い付くように留まってくれます。 より細くても折れにくいという性質もあります。 地金の曲げ伸ばしなど、もたもたしていると、じわっと割れが入る恐怖!! ものつくりには、素材の知識がかかせません。
19世紀の終わりにイギリスで大流行したエドワーディアンと呼ばれる、繊細なジュエリーの数々は、プラチナの細くても粘りのある強さを生かすことができてこそのデザインでした。 それまで、白い色の地金と言えば、シルバーしかなかった時代、プラチナに、パラジウムなど硬さを出せる貴金属を混ぜることで、強さと加工性を調節することができるようになりました。
ただ、粘る分、磨くのが大変!と私は感じるのですが、この地金に慣れている職人さんに言わせると、扱いやすいのだそう・・・何事も修練ですね。